ロッキンシリーズは、当社独自の新型4リンク機構を採用。小さな力でも簡単に動くので、幼児でも楽に遊べます。
揺動時のショックをおさえ、よりスムーズな動きを実現しました。"揺れ"にこだわった安全な遊具をお届けします。この機構は特許出願中です。特願2008-183554
4リンク機構
4リンク機構はスプリングのような金属疲労は起こらないので長年にわたり、安心して使用できます。
100万回耐久テストをクリアしています。
握りやすいグリップ
安全基準に合致した、安全で握りやすいグリップです。
アルミ製の専用ステップ
安全基準に合致し、腐食に強く耐久性抜群のステップです。
■揺動遊具開発の歴史とその技術
ここでは弊社における揺動遊具の開発の歴史とより突っ込んだ技術的な説明を行います。
1 ヨーロッパを起源とする木馬
大永ドリーム株式会社は伝統的にリンク機構を採用した揺動遊具を製作してまいりましたが、創業者が1970年代に行ったヨーロッパの公園視察がそのきっかけとなっています。まだ日本においてスプリング遊具が普及する前でした。詳しい記録には残っていませんが、フランスの公園で撮影された数枚の写真が残されています。
ヨーロッパの木馬
木馬を前から見る
目立つのは馬の頭部で、アルミと思われる鋳造品です。座面も座りやすいようにデザインされていますが、脚部はH型鋼が使われていることが分かります。
2 国産化の試み
創業者はその動きにほれ込んで国産化を考えました。出来上がったのは五人が乗って遊べる木馬でした。
これが5人乗り木馬です
大きなボディですが、まともな玉軸受けを採用して動きはスムーズです。動画で動きを示します。
2 小型化して一人乗り木馬とする
5人乗り木馬の国産化と平行して進められたのが一人で遊ぶ木馬の開発でした。丸太を用いたボディとするためにボディの素材の調達や加工に苦労があったことを覚えています。昔のカタログからスキャンした画像を紹介します。
こちらは開園間もない頃に昭和記念公園に納入された木馬です。
当時はリンクに関する知識が豊富ではなかったのですが、結果的に素晴らしい動きを実現することが出来ました。
その動きを動画で示します。
この動画を見るたびにこの木馬が「名機」だと再認識しています。そしてこの木馬がこの様なデザインになった必然性を少し詳しく説明致します。

木馬を支える支柱の材料はガス管(65Aφ76.3mm)で溶接エルボウによってリンクの支点を内側にシフトさせています。図で示した青いサークルの部分です。
この木馬の動きを理解するためにボディ等を省略した模式図で説明することにします。青い線で示したのは設置面に固定された節で、赤い線で示したのが揺動節、これらを結ぶ緑の節にボディが固定され、赤い点Mが木馬の座面中央の位置を示しています。これらが4節リンク機構を構成しているのです。人が乗った場合、およその重心の位置はMであると言っても良いのです。位置エネルギーが一番小さい状態は図0で示します。平衡状態ですね。人が乗って揺らした時、点Mは黒い曲線に沿って動きます。
揺動節と連結節が一直線になった時、幾何学的に上下どちらの方向にも動くことが出来ます。この状態を機構学では「思案点」と呼びます。工学の用語なのに擬人的な表現ですが、ぴったりの用語で考案した人は素晴らしいです。エルボウを使うのはこの時にベアリングを貫通するシャフトを支柱と干渉させないためだったのです。
多くの機構学の本ではこの思案点を通過した後のリンクの挙動を扱っていません。しかし両テコ機構であってもすり抜けることが出来ればさらに複雑な動きをすることが幾何学的にも「木馬的にも」分かるのです。座面中央の点Mは思案点を過ぎた当りで大きな曲率(言い換えれば小さな曲率半径)で運動することが軌跡から分かります。これが「クイッ」と感じる運動の正体です。木馬として通常の動きをする範囲においては、座面中央の軌跡の曲率半径はおよそ33cmとなっています。
うまくすり抜けると最終的に平衡状態の鏡像になります。でもその経路は鏡像でないのが面白いと思っています。図には示してありませんが、連結節の中点Nが描く軌跡はヤコブ・ベルヌーイのレムニスケート(lemniscate)になります。
質量を載せずに高速度撮影した動画(300fps)も示します。
特徴的なことはゴムのような弾性体を使ったストッパーを設けることなく運動が制御されていることです。これはこの機構が持つ最も優れた点です。しかしどうしてもボディが大きくなり、リンク全体を覆うことは困難でした。そして設計してから既に30年以上経過して現行の安全規準に照らして問題があります。
3 現行のロッキング遊具へ
この木馬の動きをなるべく変更せずにボディの内部にリンク機構を収納すること、そして一本足とすることが技術的な課題でした。これには思った以上に困難が付きまとい、失敗も数多く重ねたのです。やっと完成した小型化したリンクで動く木馬の動きを動画で示します。一部高速度撮影を行っています。
リンクのプロポーションを変更すると同じ両テコ機構でありながら以下のような軌跡になることを避けることが出来ませんでした。
リンク機構の干渉を考えずに純幾何学的に座面中央の点の軌跡を求めると以下の図が得られます。
この軌跡を解析的に求めることは高次元の連立方程式を解くことに帰着します。そしてこの曲線の形から分かるように何らかの機械的な緩衝装置が欠かせません。「特願2008-183554」そのものです。
木馬として好ましい動きの範囲に規制しているのが、左右の揺動節を少し延長して、ここにウレタンゴムの緩衝材(パイプ)を取り付け、支柱の中央に同じくウレタンゴムのブロックを配置したリンクです。このレイアウトの利点は二つあります。一つは緩衝材に長い素材を使えるのでゴムの歪を低く抑えることが出来、耐久性が向上します。もう一つは中央の支柱の「頭を抑える」動作になるので振動を少なくさせることが出来るのです。この機構の主要部を以下に示します。
このリンクの動きは以下の動画で示します。一部高速度撮影を行っています。
4 『暮らしの手帖』のこと
『暮らしの手帖』1986年9月号に「日比谷公園の木馬」と題して増田れい子さんがエッセイを書いています。この木馬が取り上げられているのでこの号を保存してあったはずです。読み返そうと思ったのですが見当たりません。仕方なしに著者の増田れい子さんのことを調べると、小説『橋のない川』を書いた住井すゑさんの娘さんであることが分かりました。妙な勘が働いて、アマゾンで「増田れい子」を調べると暮らしの手帖社から『インク壺』という書籍が発行されていて、今でも入手可能だと分かりました。早速ユーズドを発注してみました。数日後、その『インク壺』はやって来ました。題名は「公園の木馬」と変えられていましたが、まさしくあの記事です。

「何人のひとが、その木馬について知っているだろう。何人のひとが、そこに木馬があることを知っているだろう。
私も、つい最近そこに木馬があることを知ったばかりだ。場所は、東京のそれもまんまんなかの、日比谷公園である。ちいさなちいさな木馬である。
(中略)
その背に触れると、木馬は一瞬身じろぎしてすぐ快活におどり出した。思わず、そのゆらぎに誘われて私は木馬に乗ってしまった。懸命に木馬はかける。いじらし過ぎて、もう乗ってはいられなかった。
○
おりて気がついた。木馬に乗ったのは、これがはじめてだった。マネージ(回転木馬)には二度ほど乗ったことがある。でもほんとうは、こういうマネージでない自分でギコギコ操る小さな一頭の木馬にのりたいと、ずっとあこがれてきた。あこがれはと切れつつ続いてきて、きょう、おもいもかけず、日比谷公園の一と隅で、果たされたのである。
(中略)
淋しげな木馬も、幼な子を乗せたとき表情はかがやく。働くことが好きで、幼な子が好きな木馬よ。だから誰でも、木馬を愛しく思うのだ。」
