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NC加工

大永ドリームはCNCルーター加工を行っています 

大永ドリームは2007年10月にSHINX製のCNC木工ルーターを導入して、自社用の遊具パーツの加工を開始しました。

   NC加工の概要と加工例


弊社における木工用CNCルーターの概要とその加工例を示します。

1 NC加工とは

NCとは数値制御(Numerical Control)の略称で、工作機械を数値データにより制御するシステムを指します。現在においてはコンピュータ数値制御(Computer Numerical Control) が一般的でCNCとほぼ同義です。この分野で一般的なマシニングセンタは固定されたワーク(加工対象物)に対してエンドミル等の回転する工具を使って数値制御によって加工を行い、複数の工具を自動的に交換するATC(自動工具交換装置)を備えた工作機械です。


ATC(自動工具交換装置)


NC_ATC















導入したのはシンクス株式会社製のNCルーター「20ZXGNで、1.3m×3.1mのテーブルを備え、加工範囲は1.2m×3.0m、高さは250mmです。タレット式のATC(自動工具交換装置)には一度に6種類の刃物を装着して、極めて迅速に工具を交換しながら切削加工を行うことが出来ます。エンドミルチャックの規格はBT30です。


20ZXGN-1331SP
















画像をクリックすると別窓で拡大画像が表示されます。


工作機械の機能としては金属を加工するMC(マシニングセンター)と同じですが、木材はバイスで絞めて固定すると変形してしまいます。そこで加工対象物の固定はテーブルの下からバキュームで吸い付けているのです。言い換えれば大気圧で押し付けています。従ってワークはある程度の面積が必要となります。また金属を加工する時に必須である切削油を循環する装置は無く、替わりに集塵装置が標準装備されています。


2 高密度ポリエチレン(HDPE)の加工が主体です。


この機械は木材の加工用に設計されていますが、大永ドリームが主に加工しているのはアメリカ製の高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene)の板です。


導入した木工ルーターにセットしたHDPE(48in×120in 

NC_rouer















物性は以下です。


NC_PE_spec











在庫のPE板の大きさは48インチ×96インチ(1219mm2438mm)、厚さは3/4インチ(19mm)です。他に48インチ×120インチ(1219mm3048mm)の規格の板も入手可能で、この大きさまで加工可能です。


NC_material0















NC_material1.JPG














3 これまで自社用に切削した例を以下に示します。


NC_part1













NC_panel0













NC_panel1













NC_step0













NC_step1














実際の加工状況を動画で示します。ATCが工具を交換しながら加工を進めるプロセスが分かります。





4 その他の加工例


この素材はエンドミルで切削加工することによって文字を掘り込んだりして看板や表札を製作することも出来ます

NC_sign1.jpg















NC_sign














これは浮き彫りの例です。

エンドミルで切削するために刃物が進入できない細かい加工は出来ません。字体(フォント)はWindowsが標準で持っているアウトラインフォントはそのまま機械が読み込んでくれます。保育園の看板のフォントは特別に作成したものです。ネットで流通しているフリーフォントで加工した例もあります。漢字は白舟書体教育漢字版、英字はゴシックを使って切削加工しています。

NC_nameplate















この表札を加工している状況を動画で示します。加工が複雑で浮き彫りにしているので加工時間は長くなります。





また単なる「切り抜き」ではない加工例もあります。


NC_hemisheare















これはスタイロフォームから半球を削りだしたものです。これも動画で加工状況を示します。





半球を切削する工具の経路(パス)は手作業で計算しました。オプションで三次元加工のソフトもあることは知っていましたが、練習なので幾何学的に考えることにしました。最初からブラックボックスを利用するのでは勉強にならないのです。当時はNCに関する業界用語も知りませんでした。

直ぐに思いつく方法は半球の高さZを等分して等高線に沿って上から切削するやり方です。NCを制御する言語(Gコード)はアセンブリ言語のような低級な言語で、XYZの位置指定と2点間を直線または円弧で近似してその経路を動くという単純な動作の組み合わせで構成されています。この場合、等高線に沿って円を描き、次第にZ軸を下げるという動作の繰り返しで出来そうに思いました。しかしこうすると北極周辺のデータが荒くなり、逆に赤道付近のデータが必要以上に多くなることに気がつきました。

それで球を極座標で表現し、経線に沿ったデータを均一にすることにしたのです。パスの間隔は約1mmとしました。半径3mmのボールエンドミルのパスの原点はボールの真下、南極にあるので、単に3mmオフセットしたのでは球を削ることは出来ません。Zの値によってオフセット量が変化するからです。以下のような図を描いて考えたのです。


NC_hemishere1















パスの式は横軸をx、縦軸をzとして角度をz軸から時計回りを正とし、半球の半径をR、ボールエンドミルの半径をrとすると、以下のようになります。
NC_path
 









となります。半球よりボールエンドミルの半径だけ大きな円をz方向にrだけ下げた円の方程式であることが分かります。一般に曲面がパラメータu,vを使って
x
f(u、v)y=g(uv)zh(u、v)
と書けたとすればu,vの偏微分係数から曲面の法線ベクトルが求まります。法線ベクトルを正規化(長さ1とする)し、ボールエンドミルの半径をかけ、このベクトルの先端がボールエンドミルの中心となるようにパスを選べば目的とする曲面を削り出すことが出来るでしょう。

このように考えて、スタイロフォームから半球を削りだしたのですが、北極にへそが出来てしまいました。これを回避するために最初はストレートの刃物で5mm削ってからボールエンドミルで曲面を仕上げて、へその無い半球を削ることが出来ました。



hankyu

















このNCマシンは3軸同時制御なのでオーバーハング等が無ければ3次元加工が理論的には可能です。ただZ軸のストロークが短いので高さ150mm程度が加工の限界です。


5 NC加工をお請けしております。


自社の工程に余力のある場合にはPEの加工をお請けすることが出来ます。素材の大きさ・色、価格、納期等は弊社担当者までご連絡下さい。図面のデータ形式はDWGDXFであればそのまま、他の形式でも可能かどうかは弊社設計部までご相談下さい。